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2015/07/31

日本新聞協会発表のデータを基に

日本新聞協会発表のデータを基に

日本新聞協会発表のデータを基に、日本の新聞発行部数について複数の視点からその動向を確認してみました。

今回は公開データなどを用い、推定レベルで「新聞の購読者数」の推移を試算してみました。

折り込みチラシが入らない駅売りやスタンド売り、折込チラシに無関心な事業所での購入事例もありますが、新聞発行部数総数の動きは、おおよそ購入世帯数推移と連動・比例していると言えるようです。

新聞発行部数
新聞発行部数(1942年-2014年、万部)(再録)


一方日本新聞協会側では【新聞の接触・評価に関するデータ】で解説している通り「1部の新聞は複数の人に読まれているので、読者数は単純な発行部数よりも多くなる」としていて、これを「回読人数」と定義しています。つまり「回し読みも含めた総読者数」となっています。

しかし、「回読者数=チラシ閲覧者」にはならず、こちらもポスティングとはリンクせず、一定の数値を差し引く必要があると思われます。スタンド売りや事業所購入事例もあわせ、ホテル・美容院など商用施設での購入も合わせた数値となっていますので、以前に比べ、ますます折り込みチラシが消費者に届かなくなっていることが分かります。

また、新聞発行部数について朝夕刊を1部と数えるようになった1956年から1956年時点の結果を1.00(基準値)として、その変移を見たのが下記のグラフとなります。

新聞推定購読者数推移
新聞推定読者数推移(1956年=1.00)

ピークはバブル経済と重なる1987年で、それ以降は何度かの起伏を経ながら全体的には減少し、21世紀に入ってからは下降速度を強めているのが見て取れます。

それでもなお、推定読者数は1970年代レベルを維持しているものの、このままのペースでいけば、2020年前後には1956年の基準値レベルにまで落ち込むことは、容易に推測されます。

この事情を鑑みて、消費者の皆様にダイレクトでお届けできるポスティングは、紙媒体広告としての役割がますます大きくなっていくと推定されます。

新聞推定読者数推移
新聞推定読者数推移(1956年=1.00)(多項式近似曲線・次数=5を追加・2020年まで延長)

基準値の1.00を割り込むのは2017年前後(前年推測時より状況は悪化しています)。

前述したように、これはあくまでも推論・試算のレベルでしかありません。

さらにいわゆる「押し紙」は反映されていないため、現状はもっと厳しいものと予想されます。

さらなるターニングポイントとなるであろう今後数年間の間に、新聞業界がダイナミックな改革を成し遂げ、カーブを上向きにさせるかじ取りを行うことを祈りたい。