・第一位(166票)
雨より晴れ 晴れより曇りが ありがたい
かんれき子 (滋賀県大津市)
・第二位(158票)
強い風 チラシよ頼む 暴れるな
PST (埼玉県熊谷市)
・第三位(157票)
いらないと ことわられても 平常心
滋賀県草津市ののぶさん (滋賀県草津市)
・第四位(148票)
風吹いて チラシ押さえて ぼうし飛ぶ
ケイジ (京都府京都市)
・第五位(139票)
四季感じ 四季を楽しみ 四季に泣く
ほたるママ (滋賀県草津市)
入選した10句は、いずれも配布員さん共通の思いや、ポスティングの姿勢、立場などがよく表されている。自身の経験と重なる方たちも多いのではないだろうか。
第1位の、「雨より晴れ 晴れより曇りが ありがたい」については、「そのとおり!!」と思わず手を叩いてしまう。第3位「いらないと ことわられても 平常心」の、グッと耐えている気持ちも共感できる。
入賞以外でも、作者の人柄や主張が伝わってくる作品が見受けられた。
「赤とんぼ 追いつ追われつ ポスティング」第5位の句に通ずるものもあるが、こちらは自然の素晴らしさを満喫されている様子が窺える。
川柳の醍醐味の一つである、社会性や風刺性の感じられる作品が増えてきたのは嬉しい。
「吠えられた 犬を手なずけ ポストワン」ポスティングの大敵(!?)たる犬に対し、敵対心や罪悪感を持つのではなく、ポスティングという仕事に対して誇りを持ち、決して折れまいとする気概も感じられた。
「子供らに チラシの人と 指差され」(入選外)では、子供たちがどんな意味合いで指を指しているのかが気になってしまう。「あ!いつもの来る人だ」と指差しているのか、「チラシ配りなんてしている」と揶揄するつもりで指差しているのか。
「待ってたよ 私じゃなくて 割引券」「配るオレ 稼いだお金 使う嫁」など、思わずくすりと笑ってしまう、ユーモアに溢れている作品が増えることを望む。
内山 澄孝 氏 (2018年3月 上田にて)